能動的三分間ゲーム

今週のお題「やり込んだゲーム」

私は、親にゲームを買ってもらったことがない。よって、この時点で今週のお題は終了であるが、そんなわけにもいかないので無理やり続けさせてもらう。

私の親がゲームを買わなかった理由は私や私の兄弟に行ってきた子育ての方針を考えるとなんとなく理解できるため、大人になった今でも特段不満はない。しかし、まさかこのようなお題に答えられない苦しみがあるとは、私自身、そしておそらく私の親も想像していなかったことである。

とはいえ、ゲームと言っても様々なジャンルや種類があり、そのような観点で考えると、やり込んだゲームと聞いて思いつくものがひとつある。

その名も、「能動的三分間ゲーム」。

能動的三分間とは、かの伝説的凄腕職人バンド「東京事変」の楽曲である。「"ポップスのヒットチューンは三分"という黄金律で東京事変が曲を作ればこんなに格好よくなり、しかも売れる」という、なんともお洒落で、センス溢れるコンセプトで作られた曲であり、巷では戦場と呼ばれている私のプレイリストに何年も生き残り続けている大変稀有な作品でもある。

この楽曲の特徴は、曲名やコンセプトにもある通り、三分丁度で曲が終わるという点である。何かの特徴を述べる際は、必ず比較対象が必要であると大学時代に教わったが、私の知る限り、このようなコンセプトの楽曲は他にない(多分ある)ため、特徴といって問題ないだろう。

前置きが長くなってしまったが、本題の「能動的三分間ゲーム」について説明していく。

このゲームに必要なものは、時計、そして、能動的三分間を完璧に脳内再生できるという自信である。もうどのようなゲームかは想像がついているとは思うが、ご想像通り、「時計を見ずに脳内で能動的三分間を再生して、三分間丁度で脳内再生ができるかどうか」を一人寂しく楽しむというゲームである。

余談だが、ストップウォッチを十秒丁度で止めるというゲームを誰しも一度はやったことがあるだろう。そして、それを高確率で成功させることができる人はほとんどいないのではないか。つまり、十秒ですら成功できないのに、三分で成功できるはずはなく、やり込みたくなくてもやり込めてしまうというのがこのゲームの恐ろしいところである。そして、このような奇妙なゲーム内容にもかかわらず、今週のお題「やり込んだゲーム」にあまりにも適している点もまた、このゲームの恐ろしいところである(適当)。

以上、「能動的三分間ゲーム」についての内容激薄記事を書いてみたが、やってみると意外と暇つぶしになるので、是非試していただきたい。私は、試験で時間が余ったときや、車の後部座席で暇をしている際にこのゲームをよくやっていたが、脳内で再生できれば場所を選ばない点は、このゲームの最大の強みであると自信を持って言える。

一方で、能動的三分間を完璧に脳内再生できるようになるまで聴き込むという、このゲームの大前提にして最大の弱みも存在するが、とりあえずこの記事を読んだ人は全員この最大の弱みを克服していただきたい。

能動的三分間ゲームをやり込んで退屈な毎日に新しい風を、ではまた。